ドル相場が独歩高となっている。きょうは日銀決定会合の結果を受けてドル円が129円台乗せからさらに130円台乗せへと上伸している。日銀の声明では毎営業日の指値オペ実施の方針が示された。市場に緩和姿勢強化が印象付けられており、世界の主要中銀の金融引き締め姿勢とはかけ離れた状況となっている。
今週はユーロドルやポンドドルでもドル買いの流れが強まっている。ユーロドルはウクライナ情勢の混とんとした状況を背景に、ユーロ売りの面も広がっている。1.05の心理的水準を割り込む動きとなっている。ポンドドルも1.25の心理的水準を付ける動きがみられており、下押し圧力が強い。目先の利上げ警戒は強いものの、家計の実質所得の低下が消費動向に影響する面が指摘されている。今後の景気鈍化が懸念されているようだ。
この後の海外市場でもドル買いの流れが一段と強まる可能性がありそうだ。
きょうは第1四半期の米GDP速報値が発表される。事前予想では、成長率が+1.1%(前期比年率)と前期の+6.9%から大幅に鈍化する見込み。一方で、個人消費は+3.5%と前期の+2.5%から一段としっかりとしたものになる予想。インフレ関連では、デフレータが+7.2%、コアデフレータが+5.5%といずれも前期から上昇する見込みになっている。成長率が予想以上に鈍化することがリスク材料となるが、想定内の数字であればドル高の流れに変化は見られないものと想定される。
その他の指標は、香港貿易収支(3月)、南アフリカ生産者物価指数(3月)、ドイツ消費者物価指数・速報値(4月)、米新規失業保険申請件数(23日までの週)など。
発言イベント関連では、黒田日銀総裁会見に続いて、デギンドスECB副総裁がECB年次報告書を発表する。ウンシュ・ベルギー中銀総裁が経済関連の会議に出席する。ECB経済報告が公表される。米国では米7年債入札(440億ドル)が実施される。米企業決算発表は、アップル、アマゾンドットコム、インテル、コムキャスト、ギリアドサイエンシズ、ロク、キャタピラー、ツイッター、マクドナルド、マスターカード、イーライリリー、メルクなど目白押し。
minkabu PRESS編集部 松木秀明