そうした中で注目を集めているのが24日にNATO本部のあるベルギー・ブリュッセルで開催されるNATO緊急首脳会議です。同会議にはバイデン米大統領も訪欧して対面で参加する予定となっています。ウクライナ支援強化、NATOの一員であるバルト三国などへの戦力増派を進める中で加盟国が攻撃された場合の集団的自衛権行使の確認などが話し合われるとみられます。
ウクライナはNATOに対して、領空に飛行禁止区域を設定することを求めています。ゼレンスキー・ウクライナ大統領は先週行われたオンラインを通じた米議会での演説でも同要求を行っていました。その為、今回の緊急首脳会議でも同問題が議題に上がる可能性がありますが、このウクライナの要求に対しては、NATO側は否定的な姿勢を維持すると見込まれています。
ウクライナとロシアの問題については、両国間での停戦協議が複数回行われているものの、合意には至っていません。ただ、前向きな進展を期待する動きが強まっており、一時のリスク警戒感は後退しています。とはいえ、先行き不透明感は継続しており、キエフなどの主要都市への攻撃が一層強まり、占拠への道筋が見えるような状況になると、一気に警戒感が強まる可能性があるだけに、警戒感を持って状況を見守りたいところです。
なお、リスク回避局面ではドル円を除くドル買い、リスク警戒感が後退する局面では、短期的にドル売りが入っても、先週のFOMCなどを受けて今後の金利先高感からのドル買いが強まるという流れで、ドルはここにきていずれにせよしっかりとしています。こうした流れに変化が生じるかも注目です。
MINKABU PRESS 山岡和雅