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【来週の注目材料】米消費者物価指数(CPI)はさらなる上昇へ

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13

2022-07

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2022-07-13
市場予測
【来週の注目材料】米消費者物価指数(CPI)はさらなる上昇へ
 13日に6月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。前回5月分は前年比8.6%と、市場予想及び4月分の8.3%を上回り、直近ピークであった3月の8.5%も超え、1981年12月以来、40年5ヶ月ぶりの高い伸びとなりました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア部分は前年比6.0%と市場予想の5.9%は上回りましたが4月分の6.0%から若干鈍化となりました。
 
 ウクライナ情勢の長期化などによる原油価格の上昇もあり、5月は米国でのガソリン小売価格が大きく上昇しました。CPIの内訳を見ても、5月のガソリンは前年比48.7%と、4月の43.6%から伸びが強まっており、全体を支えています。また、食品価格の伸びも目立ち、前年比10.1%(4月は9.4%)となりました。特に家庭用食品は前年比11.9%(4月は10.8%)と高い伸びになっています。サプライチェーン問題で価格上昇が目立つ自動車も中古車が前年比16.1%、新車が12.6%と高い伸びを維持。車社会の米国での自動車価格とガソリン価格の高騰、家庭用食品の大幅な上昇など受けて、物価高が米国の市民生活に大きな影響を与えていることが印象付けられる結果となりました。

 米国のGDPの約7割を示す個人消費。こうした生活に直結する価格の上昇は、消費抑制につながる可能性があるだけに深刻です。米FRBは先月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1994年11月以来、約27年半ぶりとなる0.75%ポイントの利上げに踏み切りましたが、こうした積極的な利上げ姿勢の背景には家計を直撃する物価高があります。

 今月の米FOMCでも0.75%の利上げがほぼ織り込み済み。ただ、市場ではこうした積極的な利上げ姿勢の副作用として、景気の鈍化(リセッション懸念)を強めています。米国の第1四半期GDPは前期比年率-1.6%(確報値)と、マイナス圏での推移に。速報値の-1.4%、改定値の-1.5%からじりじりと下方修正されていることに加え、個人消費が改定値時点の+3.1%から+1.8%まで下方修正されており、個人消費の伸びが第1四半期時点で期待ほど強くないという印象が広がり、リセッション懸念が強まっています。

 アトランタ連銀が発表しているGDPNowという経済成長予想では、第2四半期GDP成長率を-2.1%と、第1四半期を超える減少を見込んでおり、テクニカルリセッション入りが濃厚に。

 こうした中で物価上昇が止まらないと、今後の景気減速懸念が加速し、リスク警戒の動きが強まる可能性があります。

 今回の市場予想は前年比+8.8%と先月からさらに上昇見込みとなっています。原油価格上昇を受けて、米国でのガソリン価格の上昇が止まらず、米エネルギー情報局(EIA)調査による全米ガソリン小売価格全種平均は5月の1ガロン当たり4.444ドルから6月は4.929ドルへ10.9%も上昇しており、全体を押し上げると見られます。
 一方コアの前年比は5.8%と前回から鈍化見込み。ただ、ガソリン価格の上昇は原材料や流通コストの上昇に繋がり、全体に波及していくことから、高い水準での推移が続くと見込まれています。

 市場予想前後もしくはそれ以上の伸びを示すようだと、米FRBによる積極的な利上げ姿勢は継続と見込まれます。今のところ7月のFOMCでの0.75%ポイント利上げは93.9%とほぼ織り込まれていますが、9月については0.5%利上げ見通しが82.5%、それ以下が5.3%あり、0.75%利上げ見通しは12.2%にとどまっています。物価上昇の確認を受けて、9月も0.75%の利上げがあるのではとの思惑が強まるようだと、米国のリセッションが相当深刻なものとなるという思惑に繋がり、リスク警戒の動きを誘う可能性があります。ドル高円高の動きが見込まれ、ドル円は微妙な動きとなる可能性がありますが、ユーロドルのパリティ(1ユーロ=1ドル)に向けた動きや、ユーロ円などクロス円の急落を招く可能性がありますので要注意です。

MINKABU PRESS 山岡和雅

 13日に6月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。前回5月分は前年比8.6%と、市場予想及び4月分の8.3%を上回り、直近ピークであった3月の8.5%も超え、1981年12月以来、40年5ヶ月ぶりの高い伸びとなりました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア部分は前年比6.0%と市場予想の5.9%は上回りましたが4月分の6.0%から若干鈍化となりました。
 
 ウクライナ情勢の長期化などによる原油価格の上昇もあり、5月は米国でのガソリン小売価格が大きく上昇しました。CPIの内訳を見ても、5月のガソリンは前年比48.7%と、4月の43.6%から伸びが強まっており、全体を支えています。また、食品価格の伸びも目立ち、前年比10.1%(4月は9.4%)となりました。特に家庭用食品は前年比11.9%(4月は10.8%)と高い伸びになっています。サプライチェーン問題で価格上昇が目立つ自動車も中古車が前年比16.1%、新車が12.6%と高い伸びを維持。車社会の米国での自動車価格とガソリン価格の高騰、家庭用食品の大幅な上昇など受けて、物価高が米国の市民生活に大きな影響を与えていることが印象付けられる結果となりました。

 米国のGDPの約7割を示す個人消費。こうした生活に直結する価格の上昇は、消費抑制につながる可能性があるだけに深刻です。米FRBは先月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1994年11月以来、約27年半ぶりとなる0.75%ポイントの利上げに踏み切りましたが、こうした積極的な利上げ姿勢の背景には家計を直撃する物価高があります。

 今月の米FOMCでも0.75%の利上げがほぼ織り込み済み。ただ、市場ではこうした積極的な利上げ姿勢の副作用として、景気の鈍化(リセッション懸念)を強めています。米国の第1四半期GDPは前期比年率-1.6%(確報値)と、マイナス圏での推移に。速報値の-1.4%、改定値の-1.5%からじりじりと下方修正されていることに加え、個人消費が改定値時点の+3.1%から+1.8%まで下方修正されており、個人消費の伸びが第1四半期時点で期待ほど強くないという印象が広がり、リセッション懸念が強まっています。

 アトランタ連銀が発表しているGDPNowという経済成長予想では、第2四半期GDP成長率を-2.1%と、第1四半期を超える減少を見込んでおり、テクニカルリセッション入りが濃厚に。

 こうした中で物価上昇が止まらないと、今後の景気減速懸念が加速し、リスク警戒の動きが強まる可能性があります。

 今回の市場予想は前年比+8.8%と先月からさらに上昇見込みとなっています。原油価格上昇を受けて、米国でのガソリン価格の上昇が止まらず、米エネルギー情報局(EIA)調査による全米ガソリン小売価格全種平均は5月の1ガロン当たり4.444ドルから6月は4.929ドルへ10.9%も上昇しており、全体を押し上げると見られます。
 一方コアの前年比は5.8%と前回から鈍化見込み。ただ、ガソリン価格の上昇は原材料や流通コストの上昇に繋がり、全体に波及していくことから、高い水準での推移が続くと見込まれています。

 市場予想前後もしくはそれ以上の伸びを示すようだと、米FRBによる積極的な利上げ姿勢は継続と見込まれます。今のところ7月のFOMCでの0.75%ポイント利上げは93.9%とほぼ織り込まれていますが、9月については0.5%利上げ見通しが82.5%、それ以下が5.3%あり、0.75%利上げ見通しは12.2%にとどまっています。物価上昇の確認を受けて、9月も0.75%の利上げがあるのではとの思惑が強まるようだと、米国のリセッションが相当深刻なものとなるという思惑に繋がり、リスク警戒の動きを誘う可能性があります。ドル高円高の動きが見込まれ、ドル円は微妙な動きとなる可能性がありますが、ユーロドルのパリティ(1ユーロ=1ドル)に向けた動きや、ユーロ円などクロス円の急落を招く可能性がありますので要注意です。

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