前日はインフレ長期化への警戒感や、今週金曜日の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、米国債利回りは急上昇していた。しかし、同時に景気の先行きへの警戒感も高まり、リスク回避の雰囲気が米国債利回りを押し下げている。10年債の3%台は現状ではやや行き過ぎとの声も出ているようだ。
その米CPIだが、今週金曜日に5月分が発表される。エネルギーと食品価格の上昇がインフレを押し上げると見られており、総合指数は前年比で8.2%の上昇が見込まれている。一方、コア指数は圧力がやや弱まると見られており、前年比で5.9%の上昇が見込まれている。ただ、先週の米雇用統計と合わせて、FRBの積極利上げ期待は十分に担保されている。
一方、前年比のインフレは前年のベース効果により6月以降は低下し始め、12月には総合指数で6%程度に鈍化する可能性が高いとの指摘も出ている。とはいえ、ウクライナ危機による不確実性と、その結果としての供給問題の解決がさらに遅れるリスクを考えると、2022年のインフレに対するリスクは、バランス的には上向きが予想されるという。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美