米10年債利回りが節目の3%を上回っており、米国債利回り上昇がドル円をサポートした。先週末の米雇用統計は強い内容となり、FRBの積極利上げ観測を追認する内容となった。市場の一部からは、FRBはリセッション(景気後退)に陥ることなく、積極利上げを遂行できるのではとの期待も出ている。日銀に動く気配がない中、ドル円にとっては金融政策格差拡大と底堅い米景気という二重の追い風となる。
ドル円は20年ぶりの高値を更新したが、135円程度まではテクニカル的な目立った抵抗がほとんどないほか、オプション市場で2年物など長期のボラティリティが急上昇しており、オプションの回転率がかなり高くなっていることも上値期待を高める1つの指標となっているという。
ドルと米国債利回りが上昇を加速させれば、円強気派はクロス円を含めて、タオルを投げる決断を下すかもしれないとの指摘も出ていた。
ユーロドルは戻り売りに押され1.06ドル台に下落。ただ、今週9日にECB理事会を控える中、いまのところユーロは底堅さは維持している印象。今回のECB理事会では利上げはないことが確実視されているものの、ECBは7月に向けて利上げが差し迫っていることを示すシグナルを出すものと見込まれている。ただ、7月利上げは既定路線で、市場の注目は利上げ幅に移っている。
利上げ幅については、理事の間でも見解が分かれており、ラガルド総裁は0.25%ポイントの漸進的なアプローチを主張しているのに対して。ドイツ連銀などタカ派な理事からは0.50%ポイントの大幅利上げが主張されている模様。ECBがインフレに主眼を置けば0.50%ポイント、ウクライナ情勢の影響も警戒される中で景気に主眼を置けば0.25%ポイントといったところだ。
ポンドドルも戻り売りに押されたものの、ユーロほどの下げはなく、1.25ドル台を堅持。本日の21日線は1.2465ドル付近に来ているが、その水準は維持されており、リバウンド相場の流れはまだ温存している。
英国では、ジョンソン首相のパンデミックの行動規制下でのパーティー疑惑を巡って政治情勢が紛糾し、与党・保守党がジョンソン首相の党首としての信任投票を本日実施した。日本時間の7日5時に結果が発表され、211対148でジョンソン首相は信任された。基本的にポンドに与える影響は限定的との見方も事前にあったが、ポンドの反応は限定的だった。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美