そのFOMC議事録は、インフレに対する懸念が高まっていることが示唆される可能性が高く、FRBの積極的な行動なしに、インフレが目標値に戻るという見方に懐疑的な見解が示されることになるとの指摘が出ている。1分月の議事録では、インフレが感染拡大によって直接影響を受ける構成要素以外にも影響を与えていると指摘した参加者は僅かだった。しかし、今回の3月分はより大胆になることが予想されるという。
ただ、市場はすでに3月のFOMCで示した金利見通しよりも0.33%ポイント高い利上げを想定している。今回の議事録がタカ派色が強かったとしても、市場を動かすのに十分かどうかは未知数だとも指摘。逆に今回の議事録が投資家の期待を後退させるようであれば、サプライズとなるという。
ユーロドルは一時1.0875ドル近辺まで下落していたものの、このところの急速な下げから買い戻しも入り、1.09ドル台に戻している。ただ、上値では戻り売りオーダーも数多く見られ、戻りを積極的に試す動きまでは見られていない。
ドルは最近の上昇にもかかわらず、ユーロや他のG10通貨の一部に対して過小評価されたままの可能性があるとの指摘も聞かれる。ブレイナードFRB理事が一連の利上げとバランスシートの急速な縮小を求めた後、米国債利回りは急上昇した。その急速な利回りの動きに対して、ドルはまだ追いつく余地があるという。そのため、ドルは高値圏にはあるものの、ドルロングの調整よりも、積み増しのほうが適切だという。
ポンドドルは1.30ドル台後半での推移。ドル買いが強まる中で東京時間には一時1.3045ドル付近まで下落していたものの、海外市場に入って買い戻しが見られている。しかし、戻りを積極的に試そうという雰囲気まではない。本日の21日線は1.31ドル台前半に来ているが、その水準の下での値動きが続いている。
英国では財政の引き締めや高インフレで生活費が圧迫されている。消費者の信頼感も低下しており、先月発表されたGFK消費者信頼感指数は急低下し、1990年代、2008年、2020年にみられた水準まで低下していたが、いずれもマイナス成長に陥いっている。第2四半期の英GDPはマイナス成長との見方も多い。第3四半期もマイナス成長となれば、テクニカル的なリセッション(景気後退)だが、そこまではまだ想定されていないようだ。ただ、英中銀は以前の想定ほど利上げを実施しないとの見方も有力になりつつある。その場合、FRBとの格差が拡大し、ポンドドルを圧迫する。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美