ドル円は123円台に伸び悩み 日本の財務省にも注視との声も=NY為替概況 - Interstellar Group Japan
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ドル円は123円台に伸び悩み 日本の財務省にも注視との声も=NY為替概況

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29

2022-03

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2022-03-29
市場予測
ドル円は123円台に伸び悩み 日本の財務省にも注視との声も=NY為替概況
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間にかけて戻り売りが優勢となり、123円台に伸び悩んだ。ただ、本日は大きな心理的節目である125円を一時上抜ける場面が見られた。日銀がイールドカーブ・コントロール死守のために、10年物国債の暗黙の上限となっている0.250%付近で無制限に買い入れる指値オペを2回行ったことに市場は敏感に反応。日銀が超緩和策維持するために異例の介入に踏み切ったことで円安が加速し、ドル円は2015年8月以来の高水準まで上昇した。

 円安は日本の輸入物価を押し上げ、インフレに拍車をかける。そのため、日銀が利回りを超低金利で抑制し続けることは困難になる可能性があるとの指摘も聞かれる。

 日銀の他に、円の動きを監視しているもう1つの重要なプレーヤーが日本の財務省だ。市場からは、鈴木財務相は現在の円安・ドル高拡大に不機嫌であることは間違いないという。財務省は円の急落を不快に思っており、ドル円が125円超に上昇すれば、投機筋に口先介入で警告を発する可能性があるという。さらに130円を突破した場合は、実際の介入が起こる可能性があるという。

 ユーロドルはNY時間に入って1.09ドル台後半で推移。下押す動きまでは見られていないものの、次第に1.10ドル台が重くなって来ている印象。本日の21日線は1.10ドル台前半に来ているが、その下での推移が続いている。ECBの年内利上げ期待は依然として根強いものの、それ以上にFRBの積極利上げへの期待が高まっており、5月、6月のFOMCで0.50%の大幅利上げの可能性も浮上している。今週金曜日の米雇用統計がその期待にさらに拍車をかけるとの見方も出ている。ECBとFRBの金融政策格差がユーロドルを圧迫しているようだ。

 対ドルでは上値の重いユーロだが、ポンドに対しては強い展開を見込む声も出ている。ただ、ウクライナ危機により、ユーロに従来想定したほどの強さはなく、年末の対ポンドでの上昇予想を下方修正。市場は欧州経済が、どの地域よりもウクライナ危機の影響を最も受けると考え、ユーロ保有に高いリスクプレミアムを付け続けている。ただ、ポンドに関しても、英国の財政・金融の政策ミックス、ファンダメンタルズの悪化、経常赤字に対するファンディング圧力がすべてポンドの圧迫要因になるという。

 ポンドドルはNY時間にかけて売りが強まり、1.30ドル台に下落。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見られており、下向き圧力が強まっている模様。

 FRBによる利上げペースの加速への期待の高まりからポンドは対ドルで軟調に推移。今週は主要な英経済指標の発表がないため、ポンドは外部要因に左右される公算が大きい。ポンドドルは現在の下落基調を強め、目先のサポート水準として意識される1.30ドルちょうどの水準をブレイクする可能性もあるという。きょうはベイリー英中銀総裁の発言が伝わっていたが、「英国は収入の極めて大きな衝撃に直面しており、成長と需要が減速している証拠を目にしている」と述べていた。しかし、「現状では政策引き締めが適切」と語っていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間にかけて戻り売りが出ており、123円台に伸び悩んでいる。ただ、本日は大きな心理的節目である125円を一時上抜ける場面が見られた。日銀がイールドカーブ・コントロール死守のために、10年物国債の暗黙の上限となっている0.250%付近で無制限に買い入れる指値オペを2回行ったことに市場は敏感に反応。日銀が超緩和策維持するために異例の介入に踏み切ったことで円安が加速し、ドル円は2015年8月以来の高水準まで上昇した。

 円安は日本の輸入物価を押し上げ、インフレに拍車をかける。そのため、日銀が利回りを超低金利で抑制し続けることは困難になる可能性があるとの指摘も聞かれる。

 日銀の他に、円の動きを監視しているもう1つの重要なプレーヤーが日本の財務省だ。市場からは、鈴木財務相は現在の円安・ドル高拡大に不機嫌であることは間違いないという。財務省は円の急落を不快に思っており、ドル円が125円超に上昇すれば、投機筋に口先介入で警告を発する可能性があるという。さらに130円を突破した場合は、実際の介入が起こる可能性があるという。

 ユーロドルはNY時間に入って1.09ドル台後半で推移。下押す動きまでは見られていないものの、次第に1.10ドル台が重くなってきている印象もある。本日の21日線は1.10ドル台前半に来ているが、その下での推移が続いている状況。ECBの年内利上げ期待は依然として根強いものの、それ以上にFRBの積極利上げへの期待が高まっており、5月、6月のFOMCで0.50%の大幅利上げの可能性も浮上している。今週金曜日の米雇用統計がその期待にさらに拍車をかけるとの見方も出ている。ECBとFRBの金融政策格差がユーロドルを圧迫しているようだ。

 対ドルでは上値の重いユーロだが、ポンドに対しては強い展開を見込む声も出ている。しかし、ウクライナ危機により、従来想定したほどの強さはなく、年末のユーロの対ポンドでの上昇予想を下方修正。市場は欧州経済が、どの地域よりもウクライナ危機の影響を最も受けると考え、ユーロ保有に高いリスクプレミアムを付け続けている。ただ、ポンドに関しても、英国の財政・金融の政策ミックス、ファンダメンタルズの悪化、経常赤字に対するファンディング圧力がすべてポンドの圧迫要因になるという。

 ポンドドルはNY時間にかけて売りが強まっており、1.30ドル台に下落している。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見られており、下向き圧力が強まっているようだ。

 FRBによる利上げペースの加速への期待の高まりからポンドは対ドルで軟調に推移。今週は主要な英経済指標の発表がないため、ポンドは外部要因に左右される公算が大きい。ポンドドルは現在の下落基調を強め、目先のサポート水準として意識される1.30ドルちょうどの水準をブレイクする可能性もあるという。きょうはベイリー英中銀総裁の発言が伝わっていたが、「英国は収入の極めて大きな衝撃に直面しており、成長と需要が減速している証拠を目にしている」と述べていた。しかし、「現状では政策引き締めが適切」と語っていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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