約20年ぶり円安水準の連日更新にもかかわらず、政府・日銀の当局者の発言は抑制的なものに留まっている。以前とは雰囲気に変化が見られているのか、円安のプラス面を期待する声も出ているようだ。本日は日銀の黒田総裁が国会に召集されていたが、「安定的な円安の動きであれば、日本経済全体にはプラスに作用」と説明していた。鈴木財務相も「急速な変動は望ましくない」といった最近の定型の発言に終始している。
中国のロックダウン解除に伴い、中国経済の見通しに対するセンチメントが改善されれば、ユーロにとってプラスとの見方も出ている。中国の経済活動が持続的に回復すれば、世界的なセンチメント形成に重要な役割を果たし、7月のECB理事会での0.50%ポイントの大幅利上げの必要があるというタカ派の主張を強化するという。ラガルド総裁が今週の理事会後の会合で引き締めを示唆する際のタカ派トーンを支援する可能性があるかもしれないとの指摘も出ているようだ。
ただ、市場ではいまのところ、7月の利上げについては0.25%ポイントと0.50%ポイントで見方が完全に二分している。
EUR/JPY 141.92 USD/JPY 132.49 EUR/USD 1.0712
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美