ロンドン市場は、ユーロやポンドなど欧州通貨に売り圧力がかかっている。欧州ガス先物が再び上昇していることが欧州景気に対する不安材料となっている。ドイツ経済相は公共スペースの照明制限など含む省エネ対策を閣議決定し、ガス使用量は全体で2-2.5%削減されると述べている。また、ドラギ伊首相は、来週のEU会合でガス価格の上限を設定することを計画している、と述べた。短期金融市場ではインフレを警戒して、ECBが10月末までに1.00%幅の利上げを織り込んでいるもよう。ユーロドルは0.99台半ばでの揉み合いを下放れて0.9917近辺に安値を更新。ポンドドルは1.18台前半から1.1772近辺に安値を更新。ただ、いずれも前日安値には届かず比較的小幅の動き。米10年債利回りは3.02%から3.06%と前日終値水準を挟んだ推移にとどまっており、ドル買い圧力は軽微にとどまっている。ドル円は137円付近で上値を抑えられると、ロンドン序盤には136.17近辺まで下押しされた。その後は再び136円台後半へと下げ渋っている。クロス円は上値が重く、ユーロ円は一時135.52近辺、ポンド円は160.84近辺まで安値を広げた。
ドル円は136円台後半での取引。東京市場で一時137.04レベルまで買われたが、その後は上値重く推移している。ロンドン序盤には136.17近辺に安値を広げた。ただ、米債利回りが前日終値を挟んで上下動と方向性に欠けていることもあって、下押しは一服。再び136.70付近へと買い戻されている。
ユーロドルは0.99台前半での取引。東京午後からロンドン序盤までは0.9950付近と、前日海外レンジの半ば水準で揉み合った。しかし、欧州ガス先物が再び上昇すると欧州系系に対する不透明感から売られ、安値を0.9917近辺まで広げている。ユーロ円は136円台前半で上値を抑えらえれると、再び軟化。安値を135.52近辺まで広げた。ただ、欧州株が上値重くも、下値では買いも出る動きとなっており、リスク警戒の動きは限定的。対ポンドでは序盤はユーロ売り先行も、その後は切り返して反発している。
ポンドドルは1.17台後半での取引。1.18台前半での揉み合いを下放れると、安値を1.1772近辺まで広げている。ただ、前日海外市場での安値には届かず、やや下げ渋りとなっている。ポンド円は161円台後半では売りに押されて、ロンドン午前に160.84近辺まで安値を更新。その後は161円台前半へと下げ一服。ユーロポンドは売りが先行して0.8410割れ水準まで下落したが、その後は反転して0.8430台まで買われた。エネルギー価格上昇による景気不安はあるものの、今日は比較的小動きにとどまっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明