(27日)
東京市場では、ドル円が下に往って来い。週明け午前は売りが先行、135円台前半から134.60付近へと軟化した。先週後半から強まっている米国のリセッション懸念が重石。米株先物・時間外取引が軟調に推移したことも警戒感を誘った。しかし、その後は買い戻しの動きに転じた。日経平均が朝から堅調で、その後も上げ幅を拡大。米株先物にも買い戻しが入り、プラスに転じる場面も。米債利回りも上昇。午後には135円手前まで下げ渋った。ユーロドルは朝方のドル安局面で1.0580付近まで買われたが、上値追いの勢いもなく、その後は揉み合いとなった。ユーロ円は早朝に143円手前まで買われたあとは、142円ちょうど付近まで下落と振幅。午後には142円台半ばへと下げ渋り。
ロンドン市場は、円売りが優勢。米株先物・時間外取引とともに欧州株も買われており、先週末に米株が買われたリスク選好の流れが継続している。債券は売られており、米10年債利回りは一時3.17%台後半まで上昇。英欧などの主要経済指標の発表に欠けるなかで、週明けロンドン市場はリスク動向に反応している。ドル円は東京午前に134円台半ばまで下落したが、その後は再び買われている。ロンドン序盤には135円台乗せから135.30台へと上昇。ユーロ円も東京午前に142円手前まで下押しされたあとは、ロンドン時間には143円台乗せ。ポンド円は165.10台を安値にロンドン序盤には166.50台まで買われた。ただ、ポンドは対ユーロでの売りに押され166円付近へと上昇一服。ドル相場はまちまち。ユーロドルが1.0550付近から1.0590付近へと買われる一方で、ポンドドルは1.22台後半から一時1.2330付近まで買われたあとは、再び1.2270付近へと押し戻されている。ユーロドルの底堅い動きを受けて、ドル指数は先週からやや水準を下げている。
NY市場は、全体的に様子見ムード。ドル円は135円台での小幅の上下動。135円台半ばでは上値を抑えられるも、135円ちょうど近辺では下げ止まっている。下値での押し目買い意欲が強く円安の動きがドル円の下値をサポートしている状況に変化はない。日銀が主要国の中で唯一、金融緩和姿勢を維持する中で、各国との金融格差拡大が引き続き円売りを誘発している。一方、ドルの方は戻り売りが優勢。市場はリセッション(景気後退)へのリスクを高めており、FRBの利上げサイクルが市場の期待ほど高まらないのではとの見方も。米金利上昇観測の一服で足元の株式市場の地合いが改善しており、これがドルを圧迫しているとの指摘も。ユーロドルは一時1.06台に上昇。ただ、ユーロ圏の景気後退リスクにより、ユーロの回復には時間がかかるとの声も聞かれる。ウクライナ危機をめぐる欧米の対ロシア制裁によるガス不足が欧州で続く可能性が高く、市場参加者はEUの大部分で景気後退の恐れがあるとしている。ポンドドルは一時1.23台を回復。ポンドは最近、景気敏感通貨としての性格を帯びつつあり、株式市場との正の相関性が高い。株式相場の改善はポンドにとって追い風になるという。ただ、英国はEUとの貿易摩擦を引き起こすリスクがある。
(28日)
東京市場で、ドル円は135円台前半を中心に振幅。朝方に135.60手前まで買われたあとは、135.10付近まで下押し。午後にはじり高の動きとなった。午前はダウ平均先物が100ドル超安となったが、午後には買い戻しが入りプラス圏を回復。日経平均も底堅く円売りが根強い印象だった。ユーロ円も午前中には143.40台から142.80台まで下落したが、午後には143.20台まで値を戻している。株式動向をにらんで円相場が上下動した。
ロンドン市場は、ドル円が再び136円台に乗せている。クロス円も買われて、円売りの動きが広がっている。ロンドン朝方に中国が入国者の隔離期間を短縮と報じられると中国株が買われた。米株先物も時間外取引で上昇に転換、欧州株は堅調に推移している。リスク警戒感の後退が円売りを促している。また、米10年債利回りが3.17%付近から3.25%付近へと上昇しており、日米金利差拡大観測が再燃していることもドル円を押し上げている。ドル円は135円台半ばを上抜けて136円台乗せから136.20近辺に高値を伸ばした。ユーロ円は143円台前半から一時144円台乗せ。ポンド円は166円付近から167円手前まで上昇。豪ドル円は93円台後半から94円台後半まで買われた。対ポンドではユーロ買いが優勢。ラガルドECB総裁は、7月の0.25%利上げ、9月はインフレ次第でより大幅な利上げも、と従来の発言内容を再確認した。ラトビア中銀総裁は7月の0.50%利上げ検討を主張。ベルギー中銀総裁は、9月の50bp利上げが適切、200bpの利上げは比較的早期に必要とした。
NY市場では、リスク警戒のドル買いが再燃。この日は米株式市場が急落している。ロンドン市場で136円台に乗せたドル円は、NY時間には136.30台まで上昇。136円台に高止まりしている。直近高値の136.71レベルが上値のメドに。ユーロドルは1.05ちょうど付近まで一時下落したあとは1.0540付近までの反発にとどまっており、ロンドン市場午前からの上値重い展開が続いている。ポンドドルも上値が重く、1.22台を割り込んだ。本日は6月調査の米消費者信頼感指数が発表され、100を下回り、昨年2月以来の低水準となった。インフレが米消費者のセンチメントを弱め続けている。ただ、為替市場の反応は限定的だった。ラガルドECB総裁がポルトガルのシントラで開催されているECBの年次フォーラムに出席しており、従来と変わらずの慎重な見通しを示した。7月に0.25%ポイントで利上げを再開し、9月には大幅利上げの可能性を示唆する内容を繰り返した。
(29日)
東京市場は、調整の動き。前日に136.30台まで買われたドル円は135.90付近へと下押しされた。前日の米株安を受けて、日経平均やアジア株などが売りに押される展開、米10年債利回りも上昇一服となり3.11%台まで低下した。ただ、ドル円の下押しは浅く、午後には136.20台まで買い戻された。ユーロドルは1.05台前半と前日のNY市場終盤の水準で揉み合った。しかし、午後1時半に発表されたドイツ西部ノルトライン・ヴェストファーレン州の消費者物価指数が予想外の前月比マイナスに落ち込み、前年比の伸びも鈍化したことがユーロ売りを誘った。ユーロドルは1.05台割れ目前に。ユーロ円は143円台前半での推移から、142円台後半へと下落した。ロンドン時間に発表されるドイツ全体の消費者物価指数の鈍化への思惑が広がったもよう。
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。前日の米株安を受けて、欧州株が軟調に推移。米株先物の反発力も弱いなかで、ロンドン序盤はリスク警戒の円高・ドル高の動きが先行した。ドル円は135.79近辺まで一時下落。山岡元日銀局長が、物価上振れなら日銀は円安を放置できなくなる、債券利回り上限の調整の可能性も、と指摘したことに反応した面もあった。しかし、その後は米債利回りの上昇とともに買われ、136.50台へと上昇。6月22日につけた24年来の高値水準136.71レベルを試す展開となっている。ユーロドルは序盤に1.0486近辺まで下押しされた。ドイツ州単位の消費者物価指数が下振れしたことが影響していた。その後は1.05台前半へと下げ渋り。ユーロ円の142円台半ばから143円台後半への上昇が下支えとなっている。ポンドドルは1.22台が重くなり、1.2150台へと軟化。ドル買い圧力に押されている。ポンド円は165.50付近から166.20付近で下に往って来い。株安やドル円上昇など、米金融当局の利上げ加速観測を市場は意識しているようだ。
NY市場では、ドルが一段高。ドル円は一時137円ちょうど近辺まで上げ幅を伸ばした。1998年9月以来の高値水準となった。今週は米債利回り低下でドル円も伸び悩んでいたが、今日の動きで上値追いのムードが再加速している。本日はポルトガルのシントラで開催されているECBの年次フォーラムでパウエルFRB議長が講演を行っており、「米経済は金融引き締めに十分対応できる状況にある」と述べ、為替市場も敏感に反応したもよう。ユーロドルは1.05台割れから一時1.0435近辺まで下落。ポンドドルは一時1.21ちょうど付近まで下落。ECBの年次フォーラムにベイリー英中銀総裁が参加し、「インフレ持続ならより強力に行動する」と利上げ姿勢を示す一方で、英経済の減速リスクにも言及していた。今日のパウエルFRB議長の発言は、ラガルトECB総裁やベイリー英中銀総裁よりも利上げの副作用に対してより楽観的な印象を与えたようだ。
(30日)
東京市場では、ドル円の上値が重くなった。前日に137.00レベルの高値をつけたあと136円台後半で東京朝を迎えた。再び買われたが136.80付近までにとどまり、136.60台へ。午後には米株先物・時間外取引に下げで日経平均が下げ幅を拡大、リスク警戒の動きに。ドル円は136.30近辺へと軟化した。ユーロ円は142円台後半での揉み合いから142円台半ば割れへと円買いの動きに押された。ユーロドルは1.04台半ばでの揉み合い。ポンドドルは1.2120台から1.2150近辺へと小高い動き。
ロンドン市場は、リスク警戒の動き。欧州株が大幅安となり、独仏株価指数はいずれも2.5%超安と下げ幅を拡大。前日のパウエルFRB議長発言の影響が続いている。同議長は、「米経済は金融引き締めに十分対応できる状況にある」と発言。市場に一段の利上げ加速を想起させた。利上げが景気を冷やすことを警戒も、何としてでもインフレを抑え込みたいとの強いメッセージが発せられていた。発言直後は137円ちょうど付近まで買われたドル円だったが、その後は株安とともに上値が重くなった。ロンドン時間には136円台半ばを下回ると一時135.97近辺まで下押しされた。ただ、その後は136円台前半へと持ち直しており、日米金利差拡大観測が下支えとなっているもよう。ユーロ相場が軟調。独雇用統計が予想外に悪化したことが重石。ユーロドルは1.04台割れ水準、ユーロ円は142円台割れ水準へと下落している。対ポンドでもユーロは軟調。ポンドはユーロに連れ安。ポンドドルは1.21台後半へと反発も、再び1.21付近へと下押しされている。ポンド円は165円台での振幅も足元では165.20付近と上値重く推移。
NY市場で、ドル円は135円台に下落。朝方発表になった米PCEのデータが予想を下回ったことで、インフレへの懸念が一服。また、米株式市場に売りが強まったことや、米国債利回りの低下、原油相場が下落していることもドル円の戻り売りにつながったようだ。米10年債利回りは一時3%を下回った。前日は137円ちょうどまで上昇する場面があったが、本日は期末とあって、積み上がったロングポジションの調整が出た可能性もありそうだ。後半には135円台半ばまで下落。米経済は年末にリセッション(景気後退)に向かう可能性が高いとの見方がでていた。ユーロドルは下に往って来い。ロンドン時間にはドル買いが優勢となり、1.04を一時割り込んだ。しかし、朝方発表の米経済指標を受けてドルの戻り売りが強まると、ユーロドルは1.0480台まで反発、ロンドン時間の下げを取り戻す展開となった。ポンドドルも買い戻されて1.21台後半まで上昇。ただ、市場では英経済の先行き不透明感が広がっており、今後のテクニカル・リセッションの可能性も指摘されている。英中銀は次回8月の利上げが見込まれているが、それで利上げはいったん停止する可能性も。
(1日)
東京市場は、リスク回避の動き。ここにきて米リセッション懸念が広がっている。ドル円は前日の海外市場で売られた後、朝方には136円手前まで買われたが、調整の動きが一巡すると再びドル売り・円買いが強まった。午後には135円割れとなる場面があった。日経平均が下げ幅を拡大、米株先物・時間外取引の下落などが重石。今晩の米ISM製造業景気指数が弱めの数字となる思惑も円買いを誘った。ユーロ円は141円台半ば割れから一時142円台を回復も、その後はドル円とともに下落、141円台割れに。ユーロドルは1.04台後半でのもみ合い。円相場主導の展開で動きにくかった。米10年債利回りは3.02%付近から2.94%付近まで低下した。
ロンドン市場は、ポンド売りが継続している。東京市場からリスク警戒のドル買い・円買いの動きに押されたポンド相場だが、ロンドン時間に入ると一段安になっている。この日発表された英製造業PMI確報値が予想外に下方修正されたことや、消費者信用残高が縮小したことなどに反応している。米欧に先駆けて利上げを開始した英中銀だが、市場では次回の利上げのあとはしばらく様子を見るとの思惑がでているもよう。これに対して、ECBはようやく7月から利上げを開始する方針、米FRBは金融引き締めを継続する姿勢を示している。相対的にポンドが売られやすくなっているようだ。ユーロ圏消費者物価速報は前年比+8.6%と前回の+8.1%から一段と上昇加速した。ポンドドルは1.20台半ばへ、ポンド円は163円台割れ目前へと下落。ユーロポンドは0.86台後半に買われている。ユーロドルは1.04台前半では下げ渋り1.04台半ばから後半での推移。ユーロ円は序盤に141円台割れとなったあとは141円台後半まで反発する場面があった。ドル円は134.75近辺まで下押しされたあとは135.70付近まで反発。円相場は株式動向に敏感に反応している。欧州株は売りが先行したが、プラス圏へと切り返した。ただ、足元では再び下げに転じるなど不安定な推移となっている。ドル円、クロス円ともに上昇は一服。
NY市場はリスク回避の雰囲気が一時広がり、為替市場はドル買いの反応が見られた。一方、米国債利回りの低下や株安による円高の動きも見られ、ドル円は再び134円台に下落する場面が見られていた。朝方発表になったISM製造業景気指数が米リセッション(景気後退)への懸念を高める内容となったことが市場を圧迫。本日の21日線は134.60付近に来ていたが、目先の下値メドとして意識される。