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為替相場まとめ7月25日から7月29日の週

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30

2022-07

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2022-07-30
市場予測
為替相場まとめ7月25日から7月29日の週
 25日からの週は、円高・ドル安の動きが広がった。世界的に景気後退懸念が市場に蔓延したことが背景。先週末に発表された一連のPMIが欧州や米国で予想外の落ち込みとなったことの影響が続いた。欧州にとってはドイツへのロシア産ガス供給が大幅に絞られたことを受けて、EU諸国が今冬のガス使用15%削減で合意した。また、イタリアの政局不安を受けて米格付け会社によるイタリア債格付け見通し引き下げも報じられた。米国でも先週末のサービス業PMIの大幅低下が今週の米FOMCでの0.75%見通しを確たるものとした。1.00%利上げ観測は大きく後退。米FOMCでは想定通り0.75%の利上げ発表。パウエルFRB議長会見では、「ある時点から利上げを抑制することが適切」との発言に市場がドル売りに反応した。さらに、米GDP速報値(第2四半期)は予想外のマイナス成長となった。住宅投資の大幅な落ち込みが打撃を与えていた。エネルギー価格高騰や人手不足による建設コスト高とともに長期金利上昇が住宅ローン金利上昇を招いたことが背景。テクニカル・リセッションとなったことを受けて、市場では次回9月のFOMCでは0.5%利上げ観測が主流となってきている。このような状況下で、今週のドル円相場は137円台から足元では132円台まで急落。これまでの日米金利差拡大観測のシナリオに基づいたドル買い・円売りの歯車が逆回転することに。クロス円は円高圧力を受けて下落。ドル相場はドル安の動きが優勢となった。週末にかけては米PCEデフレータが予想を上回ったことなどで、ややドル高方向に調整が入った。

(25日)
 東京市場は、方向性に欠ける振幅。午前中にドル円は136.61レベルまで買われたあと、136円割れ水準まで反落。その後は136円台前半に戻して午後は揉み合いに。仲値関連のドル買い需要は一過性のものにとどまっていた。ユーロドルは1.02を挟む推移。午前に1.0181レベルまで小安く推移したあとは1.02台を回復。ドル相場主導の展開のなかで、ユーロ円はやや上値を抑えられる動き。139.20台まで買われたあとは138.70台まで反落。139円ちょうど付近に落ち着いた。週明け東京市場は米FOMCをにらんで一方向に動きにくい相場展開だった。

 ロンドン市場は、ドル安・円安の動きが優勢。序盤に売りが先行した欧州株が上昇に転じている。米株先物も時間外取引で堅調。NY原油先物は93ドル付近まで下落したあと、96ドル付近まで反発。米10年債利回りは2.77%付近から一時2.81%付近まで上昇。全般的にリスク警戒の動きは後退している。ロシアが「欧州向けガス供給遮断には関心ない」「オデーサ港へのミサイル攻撃は軍事施設に対するもの、穀物輸出に影響ない」などと表明したことが好感されたようだ。ただ、この日発表された7月独Ifo景況感指数は88.6と約2年ぶりの低水準に落ち込んだ。ドイツは景気後退の瀬戸際、エネルギー価格高騰とガス不足が経済に重石と分析していた。7月英CBI製造業受注指数はプラス8と、2か月連続の低下だった。また、内閣府経済財政諮問会議は今年度のGDP成長率見通しを実質プラス2.0%程度へ下方修正した。従来は3.2%だった。ロシアの軍事侵攻、中国の外出制約などの影響とした。ドル円は136円台前半でほぼ無風状態。一方、ユーロ円は139円付近での振幅から139円台後半へ、ポンド円は163円台前半から164円台後半へと上昇。ユーロドルは1.02台挟みの水準から一時1.0250台まで買われた。ポンドドルは1.19台後半から1.20台後半へと上昇。ユーロ関連ではラトビア中銀総裁が、9月の大幅利上げの可能性を示唆したが、発言自体への反応は一時的にとどまっていた。

 NY市場は、様子見ムードが広がった。ドル円は東京市場での振幅後は、円売りが優勢となりNY時間には136円台後半へと買い戻されている。ユーロドルはリバウンド相場の展開を続け、一時1.0255近辺まで上昇。その後は1.02台前半に落ち着いた。ロシアのエネルギー大手ガスプロムがさらにノルドストリーム1の1基のタービンを停止し、ガスの流量を減少させると発表したことで、欧州天然ガス価格の上昇とともにユーロドルの上値を重くした。市場では、ECBが先週の理事会で、従来のフォワードガイダンスを削除したことから、今後のユーロ相場は経済指標やECB高官発言により敏感に反応することが警戒されていた。ポンドドルは一時1.2085付近まで上昇。その後は1.20台半ばに落ち着いた。英保守党党首選が話題となっており、スナク候補とトラス候補に絞られている。政策スタンスの差が興味深いがポンド相場に対する影響はまだ未知数。市場では、今週の米FOMCと米GDP速報値に関心が集まっている状況。

(26日)
 東京市場は、調整中心の落ち着いた展開。午前はドル安傾向、午後はドル高傾向も方向性には欠けている。午前のドル安は米10年債利回りがNY時間の2.84%台から東京市場で2.78%台に低下したことに反応。ドル円は136円台前半に軟化、ユーロドルは1.02台前半から半ばまで上昇。昼から午後は調整の動きに。ドル円、ユーロドルともに朝方の水準へと戻している。米FOMCでは0.75%利上げが見通しの大勢となっているが、短期金利市場で約2割程度1.00%利上げ見通しが残っており、どちらに決まったとしても相場への影響が見込まれる状況。FOMCまでは上下とも積極的な動きを取りにくい状況となっている。

 ロンドン市場は、ユーロドルの下落主導でドルが買い戻されている。スイス系金融機関が来年のユーロ圏成長率見通しをマイナスに引き下げたことをきっかけにユーロが軟調に推移。ロシア産ガス供給が絞られるなかで、きょう開催されたEU緊急会合で加盟国が冬季のガス使用削減で合意すると一段とユーロが下落している。ユーロドルは1.02台割れから一時1.0136近辺まで下落。ユーロ円は139円台後半から138.50台まで下落。対ポンドでもユーロ売りが広がっている。ユーロドルの下落がドル買い圧力に波及しており、ポンドドルは1.20台割れから1.1980近辺まで下落。ユーロ円とともにポンド円も下落、163.80付近に安値を広げた。ドル円は136円台後半で売買が交錯するなかで一時136.84近辺まで買われたが、クロス円の売りが上値を抑え136円台後半で揉み合っている。NY原油先物は一時99ドル付近まで上昇。欧州株は独株価指数の下げが目立っている。明日の米FOMCの結果発表、パウエル議長会見を控えてこれまでのドル安の動きに調整が入る面もあったようだ。ドル指数は反発。
  
 NY市場は、ドル買い圧力が優勢。ドル円は136.30付近まで反落したあとは136.60付近に戻して揉み合いに。底堅い動きとなったが、積極的に買い戻す動きまではみられず、136円台での推移が続いた。FOMCの結果待ちのムードに。ユーロドルは再び下値模索が強まり、1.01台前半まで下げ幅を拡大。上値が重い展開となっている。ロシアの欧州向けガス供給の完全停止という脅威がユーロドルの買戻しの意欲を抑制し、パリティ(1.00ドル)への再下落を誘発するとの指摘も。ポンドドルはいったん1.1965近辺まで下落したが、NY時間に入ると1.20台を回復。一部からは、英中銀が次回8月の政策委員会(MPC)で、より積極的な利上げを行った場合、ポンドは買われる可能性があるとの指摘も出ている。英経済指標が他国より良好に推移していることで、ポンドは過小評価されている可能性も。なお、前日に英与党・保守党の党首選で決選投票に進んだ2名によるテレビ討論が行われたが、世論調査ではトラス外相が優勢となっている。

(27日)
 東京市場で、ドル円は比較的しっかりとした推移。前日の欧州市場で上昇したドル円はその後も高値圏での揉み合いのまま東京朝を迎えた。東京市場では137円台に乗せる場面があった。ただ、今晩の米FOMCを控えて上値追いにも慎重で、137円を挟む水準で売買が交錯した。ユーロドルはじりじりと買い戻される展開。1.01台前半から1.0150付近へと上昇。ユーロ円はユーロドル、ドル円ともに買われるなかで、一時139円台を回復。前日海外市場での下落幅の半分程度を戻している。

 ロンドン市場は、ドルが軟調。米FOMCの発表を控えて、前日のドル買いの動きに調整が入っている。ドル円は137円付近から136.53レベルまで一時下落。ユーロドルはしばらく1.0130-50レベルで揉み合ったあと、足元では1.0172レベルに高値を伸ばしている。ポンドドルは1.20台半ばから一時1.2088レベルまで上昇。それぞれ、ややタイミングは違うもののいずれもドル安水準へと動いている。序盤にはユーロ売り材料が多かった。独Gfk消費者信頼感が2か月連続で過去最低水準を記録、仏消費者信頼感も7カ月連続の低下。前日遅くに報じられたS&Pによるイタリア債格付け見通しの引き下げ、引き続きノルドストリーム1のガス流量が2割程度に絞られていることなど。ただ、昼過ぎには独財務相が石油不足については否定した。短期金融市場では引き続き米FOMCでの0.75%利上げ観測が有力。一部には1.00%利上げ観測が出ている状況。市場にはFOMCの結果とパウエルFRB議長会見を内容を見極めたいとのムードが広がっている。
 
 NY市場では、パウエル発言を受けてドル売りが強まった。FOMCの結果が公表され、政策金利の誘導目標を予想通りに0.75%ポイント引き上げ、2.25%-2.50%とした。全会一致で決定したことも明らかとなり、0.50%や1.00%ポイントの主張もあるかにも言われていたが、全会一致は若干意外感もあった。為替市場はドル売りの反応が見られたが、その後のパウエルFRB議長の会見でドル売りはさらに加速した。「ある時点から利上げを抑制することが適切」との発言に敏感に反応したもよう。ドル円は137.40近辺まで買い戻される場面があったが、パウエル発言を受けて一時136.35近辺まで一気に下落。ユーロドルは1.01台割れとなる場面もあったが、ハウエル発言を受けて一気に1.02台を回復。ポンドドルは1.20台前半から1.2180近辺まで急上昇。21日線を上放れており、リバウンド相場に入るのかが注目される。ただ、市場からはドル売りの動きは一時的なものに過ぎず、FRBの追加利上げ期待は今後数週間のドルの支えとなるとの見方も出ていた。不安定なリスク心理と欧州のガス供給問題が、安全資産であるドルへの流入を促進するという。

(28日)
 東京市場は、円買い広がる。ドル円は前日FOMC後のドル売り・円買いの流れが継続し、朝から売りに押された。136円割れからストップ注文を巻き込んで135.11レベルまで安値を広げた。円買いの動きが優勢となり、ユーロ円は139円台から138円台割れまで下落。今晩の米GDPでのテクニカル・リセッション入り懸念が円買いにつながった面も。米GDP速報値は前期比年率+0.5%が見込まれている。今週初めの+0.3%からじりじりと予想値が上方修正されるなどプラス圏期待も強いが、アトランタ連銀のGDPNowが昨日付で-1.2%見通しを出しており、マイナス成長見通しは根強い。ユーロドルはドル円の下げがドル売り圧力となり、1.0220付近へと上昇。

 ロンドン市場は、ユーロが反落。対ドルでは1.0234レベルまで高値を伸ばしたが、その後は売りに押されている。1.0122近辺に安値を広げ、前日パウエルFRB議長会見後の上昇を戻した。ユーロ円はロンドン朝方に138.50付近に上昇する場面があったが、その後は137.30付近へと一段安。対ポンドでもユーロは軟調。ドイツ消費者物価指数速報値の発表を前に一連の各州ごとの数字が発表されたが、前回からの高安はあるものの依然として前年比7-8%の高インフレが続いている。7月ユーロ圏景況感は99.0と2021年2月以来の低水準で、予想以上に落ち込んだ。ドイツ経済相がガス料金引き上げに言及するなど、欧州景気先行きに不透明感は払しょくされていない。その他主要通貨はややユーロドル下落がドル買い戻しに作用したものの、米GDP速報値の結果待ちとなっており、値動きは限定的。ドル円は135円台半ばを挟んだもみ合い。ポンドドルは1.21台後半から前半へ、ポンド円は165円付近から164円台前半へと軟化、ユーロにつれ安となっていた。

 NY市場では、円高の動きが広がった。前日のFOMCやパウエルFRB議長の会見を受けたドル売りは一服しているものの、円高の動きでドル円は利益確定売りが強まった。第2四半期の米GDP速報値が前期比年率-0.9%と予想外のマイナス成長となり、テクニカル・リセッションとなった。米国債利回りが急低下したことがドル円を圧迫。134円台前半まで下落した。きょうの下げで21日線を下放れる展開。FRBの利上げ期待が低下したことでファンド勢がこれまで積み上げた円ショートを活発に巻き返しているとの声も。ユーロドルは戻り売りに押され、一時1.01台前半まで下落した。ただ、終盤に買い戻しが入り1.01台後半に戻す展開。21日線の下での推移が続いており、下向きの流れに変化はない。欧州のガス供給問題が深刻化し、ECBがインフレとの戦いを強化することを表明しない可能性もあることから、ユーロドルは下値模索が続く見込み。ポンドドルは伸び悩む動きを見せ、1.21台前半まで値を落とす場面が見られた。しかし、次第に下値も底堅くなってきており、21日線の上での推移をしっかりと続けている。しかし、ファンダメンタルズ的には逆風にさらされており、次の大きなリスクは来週の英中銀金融政策委員会(MPC)だが、上昇の動きは不安定なものになりそうだとの指摘も。

(29日)
 東京市場では、ドル円が一段と下落。前日発表の米第2四半期GDPが予想外のマイナス成長となったことを受けてドル売り圧力が広がった経緯がある。東京市場ではドル円が134.68近辺まで小反発した後は再び売りが強まっている。昼前から下落に勢いがついて134円台割れ、133円台割れ、一時132.78近辺まで下落した。買戻しの動きは限定的にとどまった。クロス円も下落。ユーロ円は137円台から135円台へ、ポンド円は164円手前から162円割れ水準まで下落。ドル安圧力も波及し、ユーロドルは1.02台に再び乗せ、ポンドドルは1.22台を一時付けた。ただ、欧州経済先行きへの不透明感もあってドル円ほどのドル売りの勢いはみられず。

  ロンドン市場は、ドル円の下げが一服、ユーロが底堅く推移している。ロンドン序盤は前日からのドル売り・円買いの流れを受けてドル円は132.51レベル、ユーロ円は135.55レベル、ポンド円は161.54レベルまで安値を広げた。一方、ユーロドルは1.0254レベル、ポンドドルは1.2245レベルまで高値を伸ばした。しかし、その後は調整が入り、値動きが反転している。ユーロ円は136.60近辺、ポンド円は162.40近辺まで下げ渋り。ユーロドルは一時1.02台割れ、ポンドドルは1.2150割れ水準へと反落。この日発表されたユーロ圏消費者物価速報が前年比+8.9%と過去最高水準を更新、一段とインフレが加速したほか、ユーロ圏GDP速報値も前期比+0.7%と前回および予想を上回る伸びを示していた。ユーロドルは1.02台前半へと再び買われている。一方で、英住宅ローン承認件数は予想以上に減少しており、高インフレ、金利引き上げの影響がみられていた。ポンドドルの反発は序盤の1.22台には届かず限定的な動きに。ユーロポンドではユーロ買い・ポンド売りが鮮明になっている。

 NY市場でドル円は下げ渋ったものの上値重い展開となった。きょうのドル円は荒い値動きとなった。本日は月末の取引で、これまでのドルロング・円ショートポジションの調整が強まり、ロンドン時間の早朝には132.50付近まで急落する場面が見られた。今週のFOMCや米GDP速報値を経て、市場もFRBの積極利上げの期待を一服させる中、これまで積み上げたポジションを巻き戻す動きを活発化させている。チャートは21日線を下放れした形を強めており、テクニカル的な見切り売りも加速したものと思われる。

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