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【来週の注目材料】非農業部門雇用者数の伸びは鈍化見込み=米雇用統計

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27

2024-01

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2024-01-27
市場予測
【来週の注目材料】非農業部門雇用者数の伸びは鈍化見込み=米雇用統計

【来週の注目材料】非農業部門雇用者数の伸びは鈍化見込み=米雇用統計

 2日に1月の米雇用統計が発表されます。
 12月の米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+21.6万人と、市場予想の+17.0万人を大きく上回る伸びとなりました。もっとも、10月分が+15.0万人から+10.5万人、11月分が+19.9万人から+17.3万人に計7.1万人の大きな下方修正となっています。

 内訳を確認すると、財部門全体では+2.2万人とまずまずでしたが、その中の製造業が+0.6万人とやや冴えない伸びとなりました。
 サービス部門は全体で+14.2万人としっかりした伸びとなりました。これまでも雇用を支えてきた教育・医療サービスが+7.4万人、娯楽・接客業が+4.0万と今回も好調でした。
 介護部門などもありリーマンショック時でも雇用増が続いた教育・医療サービスとアフターコロナでの回復は一服したものの、12月も+2.21万人と好調さを続ける飲食部門が支えとなる娯楽・接客業は、今後もしっかりした伸びが期待されます。
 11月は-2.4万人と弱かった小売業は+1.7万人と回復を見せました。運輸・倉庫は-2.3万人と3カ月連続でマイナス圏となりました。雇用の先行指標と言われるテンポラリーヘルプサービスは-3.3万人と、11カ月連続でのマイナス圏となっています。

 このところの雇用を支える医療・社会福祉部門と飲食部門の堅調さが続いており、1月分も堅調さが期待されますが、景気に敏感な部門である運輸・倉庫の弱さは警戒感につながります。

 関連指標も見ていきましょう。
 週間ベースの新規失業保険申請件数は、調査期間(雇用統計は基準日である12日を含む1週間の数字)の被るところで比べて、12月の20.6万件から1月は18.9万件と好結果になっています。

 その他有力な関連指標は来週の発表です。
 30日の12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の予想は870万件と11月の879万件とほぼ同水準です。
ただ、ブレの大きい指標だけに注意が必要です。
 31日の1月ADP雇用者数の予想は14.3万人と12月の16.4万人から鈍化見込みです。
1日の米ISM製造業景気指数は47.3と12月の47.4から小幅鈍化見込みです。ただし、12月の数字が下方修正見込みです。
 ISMに関しては前回48.1となった雇用部門も要注意です。11月の45.8から一気の改善となりました。
今回も大きく改善してくると、雇用統計の好結果期待につながります。
ISMと同系統の指標であるマークイット社によるPMI(購買担当者景気指数)速報値は
予想を大きく上回る好結果となっただけに、ISMも強めの数字が出てくる可能性があります。

 こうした状況を踏まえ、今回の米雇用統計の予想です。
非農業部門雇用者数は前月比+17.8万人と12月から伸びが鈍化する見込みです。
10月、11月よりは強く、水準的にもまずまずという印象です。
失業率は3.8%と12月の3.7%から0.1%ポイント悪化見込みです。
平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.1%。前年比は12月と同水準、前月比は12月より小幅鈍化となります。

 FOMCで現状維持が示され、声明や会見で市場の早期利下げ期待をけん制してきた場合、雇用統計が予想通りもしくはそれ以上の強さを見せると、3月の利下げ開始期待がもう一段の後退を見せ、ドル買いが強まる可能性があります。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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